多くの教習生が悩んでいる「狭路通過(【クランク】)」。今まで、文章で書くことにためらってきてなかなか踏み出せませんでしたが、思い切りました。
「いつかは、文章で表現したい。」と思い続けて、20年余り。上手く伝わるか不安ですが、「クランク」でお悩みの方は、一度読んでみてください。
初めてのクランクの教習でしたが、上手にできて、私も嬉しかったのです。
そして検定も合格しました。(笑)。
教習所教官による運転教本参考書
このブログの趣旨!
まずは、こちらをご覧くださいね。「コツと方法」シリーズでの、基本的な私の意図と参考文献を示しています。
このコンテンツでは、運転教本を参考にして書いていますが、私は運転教本の参考書的な扱いで書いています。
運転教本では「堅苦しくて分かりにくい。」「受験勉強のように語呂合わせで覚えたい。」「裏技的な事を知りたい。」という要望を受けて、私の経験から作成しました。
そのことをご理解いただき、この文章を読んできた抱ければ幸いです。
私がこの記事を書くにあたってスタンスとか、思いについての詳細は、下記の記事をご覧くださいね。
このブログの個人情報対策!
このブログには、コメントができるようになっていますので、ご意見・ご質問等を受けることができます。
ただ、コメントに返信する必要がありますので、貴方のメールアドレスは、管理人及び数人の厳選された投稿者に知られることになります。
特に、現役指導員の方に質問すると、「教習生の連絡先を知ろうとした」と問題になってはいけないと思い、Lineの【Open Chat】 を開設しました。
これですと、貴方からのLineのIDも知ることはできませんし、ハンドルネームで参加できますので身バレもしないので私的には、良い方法だと思います。
教習生の方で、教官から知らされてこのブログを見た方は、このOpenChat で質問してくださると個人情報も漏れずに、気軽に質問できると思います。
但し、現役教官のライターさんが居ますので、差し支えなければ、ハンドルネームの中に教習生番号を入れて頂けたら、より適切なお答えができると思います。
例えば、教習生番号が「8765」であれば、「8765hiukonyan」とか「87kuma65mon」とかとして頂けると、ライターもお答えしやすいと思います。
OpenChat 名:【自動車学校お悩み相談室】
管理者名:【きょめん76】
クランクの珍教習を公開する理由!
クランク教習に自信を持たせてくれた、Mさん!
狭路通過でMさんに初めて出会った
私が M さんを教習したのはS 字クランクの教習(狭路通過の教習)が初めてでした。
Mさんは、補修にならずにクランクとS字をクリアー
Mさんが、見ず知らずの友達に教習??
Mさんが教官になったら、怖いライバル!
クランクコースとは?
トヨタ名古屋教育センター発行の【運転教本】に準じて説明いたします。
ページで言えば、p.78 ~ p.89 が対象になります。
この教本が手元にない方は、他の教本で「11.狭路の通行」のページを開いてください。
クランクとは?
クランクとは、10メートル程度の間隔で、交互に直角に右折する箇所と左折する箇所が配置された狭路のことです。
クランクの全体像は?
クランクをうまく通行するために、狭路全体だけでなく、入り口・出口のコース形状をイメージ図ることが大切です。
クランクコースは、ほとんどが、直線・直角コース・直線・直角コース、なので、比較的シンプルです。
実は、教官でも、「クランクの方が(S字より)教えやすい」と言う人が多数派でした。
クランクコースを理解する!
車の大きさ、タイヤの位置を理解しておきます!
普通自動車の車幅!
クランクのコースの幅は、3.5メートルに設計されています。
運転席から見れば、狭い道のように感じますね。普通免許取得のための教習車車の幅は約1.7メートルですから、実際には車2台分ほどの道幅があるのです。
普通自動車の死角!
付け加えると、一般的な体格(身長165cm程度)であれば、普通の運転姿勢で運転席側の窓枠下部に隠れて見えない部分を死角と言います。教本のP.48を見て下さいね。従って、運転席から右側窓枠の下部を見た時に、縁石と窓枠が重なって見えるようでしたら、縁石との間が1m位空いているという事になりますね。可能であれば、窓を全開にして顔を出して確認してみてください。
実際には、「縁石が見えないから、乗り上げる」と恐怖を抱いて、不必要に離れようとする方がおられます。
普通自動の前タイヤの位置!
また、クランクを通行するときは、タイヤの位置を把握することが大切です。多くの方が、タイヤはかなり運転席から前方に離れていると思っているようです。実際は、ブレーキペダルの前方50cm位の場所に、右側前輪の接地面があるのです。そのことを考えて、クランクを走行する際には、コースのできるだけ外側に寄って走行するように気を付けることが大切です。
脱輪しないために!
自動車が曲がる時には、前輪と後輪の通る軌道は異なります。
ハンドルを目一杯回した場合、内側の後輪が通る軌道は、前輪が通る軌道よりも約70~80cm程度内側を通ることになります。
これを、内輪差といいますが、後輪のタイヤ位置を把握することは困難なので、なるべく外側を通過するようにします。
運転教本P.92の一番下のイラストに書いてある通りですね。
クランクの場合は、外側に黄色のポールが立っていますので、外側ギリギリをせめてみましょう。
脱輪・接触怖れ時の修正方法を学ぶ(切り返し)
①自動車の前輪・最前部が脱輪した・接触の恐れありの場合!
自動車の前輪・最前部が脱輪した・接触の恐れありの場合は、直ちに停止します。その後、ギアをリバース(後退)に入れ、ハンドルをまっすぐに戻します。
(ここでは自動車の誘導に特化してますので、合図や確認事項は省略します。ご了承下さい)
約50cm位後退して、進みたい方に一気にハンドルを回すと、ほぼ通過できます。
②自動車の後輪・最後部が脱輪した・接触の恐れありの場合!
自動車の後輪・最後部が脱輪した・接触の恐れありの場合は、直ちに停止します。その後、ギアをリバース(後退)に入れ、ハンドルを回さずに後退します。(つまり、ハンドルはそのままです)
(ここでは自動車の誘導に特化してますので、合図や確認事項は省略します。ご了承下さい)
約2~3m位後退すると、脱輪前の直線部分まで下がり、直線コースと車体が平行になります。そこでハンドルをまっすぐに保ちます。そこから1m~2m直進してから進みたい方に一気にハンドルを回すと、ほぼ通過できます。
脱輪・接触の恐れありの修正(切り返し)方法は難しい!
以下のように、状況により方法が複雑ですので、修正(切り返し)は困難をきわめます。
脱輪・接触の恐れの修正(切り返し)は、マニュアル通りには出来にくい!
前にしろ、後ろにしろ、脱輪・接触の恐れの場合の修正方法は、脱輪・接触の恐れの程度によって違います。
①、②の場合のいずれも、ギリギリ通過できない時の修正方法です。明らかな、脱輪・接触の恐れの場合は、その時の教官の指示に従ってください。
脱輪・接触の恐れの修正(切り返し)は、練習しにくい!
例えば、後方から、別の教習車が接近した場合、検定車が近くにいる場合は、練習できませんね。
脱輪・接触の恐れの修正(切り返し)は、覚えにくい!
考えてみてください。前進でクランク通過できない人が、たまにしか練習できない【切り返し】を覚えられると思いますか?
私は、最初の勤務校で「S字・クランクの切り返しの練習をさせろ!」と主張する検定員が居て苦労しました。その検定員は、自分の担当の生徒が切り返しを必要とする場合には、遠慮なく切り返しの練習をさせました。ところがその検定員が後ろにいた場合、「後ろに俺が居るのに、切り返しの練習なんかさせるな!」と怒るのです。
再就職した勤務校では「S字・クランクの切り返しの練習は一回程度にしましょう。上手くできないと『後が大変だ』と思わせるようにして、なるべく前進で通過できるように指導しましょう」と呼びかけられました。「そもそも、前進でクランクを通過できない人が、後退(切り返し)ができるわけないのですから」とも言われて、とても良い所に再就職できたと喜んだことがあります。
クランク通過は、超低速で走行する事が重要!
何故、超低速が必要なのか?
教官の説明が追い付かない。
教官の説明が追い付かない。→ 早口になる。→ 口調が強くなる。→ 怒られたと感じる。
教習生の理解が間に合わない。
言葉を聞いてすぐには理解できません。→ 間違って理解しても修正できません。→ その後の運転装置の操作の理解も間に合いません。
教習生の操作が間に合わない。
教官の説明を理解する。→ 頭の中で整理する。 → 実際に操作をする。
個人差はありますが、瞬時に理解できたとしても、単純な繰り返し作業でも、指示通りに操作できるまでに、平均的に約1秒必要だと言われています。
ましてや、初めての操作では、何秒かかるかわかりません。
超低速ってどのくらいの速度なのか?
超低速は、初めてハイハイができた赤ちゃんの速さ!
超低速…これも個人差がありますが(笑)、亀の歩み位でしょうか?
超低速は、時速1km位!
超低速…具体的には、「時速1km以下で」と言っていました。
時速1kmと言えば、秒速0.3m未満です。つまり、1秒間に30cmも進まない速さです。
実際に測れるわけではありませんが、そのくらいのつもりで走行していただきます。
※ 勿論、免許再取得の方で、腕に自信のある方は、その必要がありませんね。(そもそも、そういう方は、この記事を読まないと思いますが)
因みに、車体の個体差は有りますが、AT車のクリープでは、時速4km前後は出ると言われていますし、MT車でアクセルを全く踏み込まないで、半クラッチにしても、時速4km前後は出ると言われています。
止まったり、進行したりして、平均時速1km以下ではだめ?
基本的に、「止まらないで!」と言ってきました。停止した状態でハンドル操作をすると、「すえ切り」と言って、自動車にダメージが加わりやすいのは当然のことですね。
更に言えば、停止した状態でハンドル操作をすると、今現在、タイヤがどちらを向いているのか理解しにくいという事も大きな理由です。
時速1kmででも、走行していれば、今現在自動車がどちらに向かって動いているのかがわかりますよね。
後で述べますが、自動車がどちらに向いて動いていて、どの部分が脱輪・接触しそうかという目配りが大切です。
超低速を保つため、クランク内では、右足は常に、フットブレーキに!
アクセルは踏ませません!
狭路内(クランク・S字)では、AT車・MT車どちらでも、基本的(特に最初に指導する時)に、アクセルは踏まないようにして指導していました。
踏み間違いもありますが、説明も複雑になり、「はい、アクセルを少し踏んで!」「はい、今度はブレーキを踏んで!」という事を繰り返すと、言い間違いや、聴き間違いが生じる可能性が高まるからです。
特に、正社員指導員歴の晩年には、ほとんどそのようにやっていました。
右足は常にブレーキに!
「構えブレーキ」と言う言葉をきいたことがありますか?
剣道では、対戦前に、「構え」という体制を取ってから、試合や練習します。
まだ、実際に行動しないけれど、いつでも行動できるように準備しているという事です。
簡単に言えば、ブレーキペダルの上方に、右足を浮かしておいて置き、いつでもすぐにブレーキが踏める状態にしておくことです。
これで、右足は、ブレーキを踏むか、ブレーキから右足を浮かせるか?だけなので、指示も徹底しやすくなります。
MT車では、どうやって車を前進させるの?
AT車では、ブレーキから右足を離すと、クリープ現象で前進しますよね。
では、MT車ではどうするのでしょうか?
MT車でもアクセルは踏みません。半クラッチをうまく利用すれば、低速が保ちやすいのです。
この方法については、こちらで詳しく書いていますので、是非ともご覧下さいね。
クランクで、ハンドルを回すポイントとは?
やっと、画像を貼ることができるようになりました。3年ほど前に作った、教習生に見せて指導していたものです。汚れていますし、手書きの拙いものですが、画像が貼り付けれた記念です。近々、書き換えますのでご了承ください。
この、クランクコースは、右折してクランクに入ります。しかも、やや鋭角的に入ります。
ハンドルを回し始めるポイント!左に進む時!
普通自動の前タイヤの位置!
普通自動車の前タイヤの接地面は、実は、ブレーキペダル前方約50cm位の場所にありますよね。
ブレーキペダルの真横(左に進むならば、左方向真横)に最初に見える横向きの直線(縁石)部分が来たら、ハンドルを左に一回転だけ回します。
次に、両手で保持しているハンドルの全て(下部まで全て)が横向きの直線(縁石)部分をこえたら、残り約半回転だけ回します。これで、ハンドルは全て左に回したことになるはずです。普通自動車では、これで、ほぼ通過できます。
ハンドルの回し方については、下記の記事を参考にしてくださいね。
ただし、この場合、右の先端部分が、ポールに接触しないかを確認してくださいね。
そのポールに、大好きなアイドルが立ってると思ってください。「ぶつけて怪我をさせたら大変ですし、離れてしまったらアイドルに近づく事さえできない!」と思ってください。
右前端部が接触しそうになったら、切り返しをします。
自動車の前輪・最前部が脱輪した・接触の恐れありの場合の切り返し方法!
自動車の前輪・最前部が脱輪した・接触の恐れありの場合は、直ちに停止します。その後、ギアをリバース(後退)に入れ、ハンドルをまっすぐに戻します。
その後、約50cm位後退して、左方向に一気にハンドルを回します。
そのまま、アイドルポールから離れそうであれば、徐々にアイドルポールに近づけます。
これで、ほぼ通過できます。
前がギリギリ通過できれば、後輪・最後部が脱輪・接触することはまずありえません。(笑)
ハンドルをまっすぐに戻すポイント!
ポールが続く限り、アイドルが立っていると思って、右前部を近づけてください。最後のポールの直近を通過したら、ハンドルは一回転回した状態でしばらく走ってください。(勿論、超低速で)
その後、ポールの列と平行になっている直線状態の白線(縁石)と自動車が平行になったら、ハンドルをまっすぐに戻します。
この【平行になった】というのは、こちらを参考にして下さいね。
普通自動車の死角!
運転中の死角とは、通常の運転姿勢で、目視やミラーでの確認で見えない部分の事を言います。
これは、車体が作る死角だけではなく、ブロック塀や樹木等、自動車の外にあるものでも死角はできます。又、人の体が死角を作る場合もあります。
ここでは、自動車が作る死角について、その中でも、クランクに関係する死角について補足しておきますね。
一般的な体格(身長165cm程度)であれば、普通の運転姿勢で運転席側の窓枠下部に隠れて見えない部分の死角は約1mと言われています。教本のP.48を見て下さいね。
運転席から右側窓枠の下部を見た時に、縁石と窓枠下部の直線部分が平行に見えるようでしたら、車体と白線(縁石)が平行になっていることになりますね。可能であれば、窓を全開にして顔を出して確認してみてください。許されるならば、ドアを開けてみるとわかりやすいと思います。
ハンドルを回し始めるポイント!右に進む時!
基本的には、
【ハンドルを回し始めるポイント!左に進む時!】
の記事の、右と左を入れ替えたら、同じことになりますね。
是非ともお試し下さいね。
「自動車学校」でお悩みの方、次の記事一覧をご覧ください!。
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この記事を読んでくださった方は、下記の記事もご覧になっています。
自動車学校について詳しくお伝えできれば光栄です。
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