断続ブレーキ(予備制動/予告制動/ポンピングブレーキ)って何?詳細に話せば 微妙に 意味が違うのでしょうが、教習生に伝えるという意味ではほぼ同じ意味で伝えておけばいいと思います。
とりあえず、本制動(本格的にブレーキをかける)前の、主に後続車に対する警戒を示す意味が強い制動だと私は考えています。
主に、後続車に知らせるための予備制動と言いましたが、他に意味があるのでしょうか?
今回は予備制動と言われるブレーキの意味と使い方について深掘りしていきます。
予備制動の目的!
私は、予備制動の目的を 以下のように考えています。
しかし、これを全て教習生に話すことはごくまれです。
なぜなら、これだけのことを全て話そうとするとかなり時間を要します。限られた50分の教習では、他にも指導したいことが多くて説明しきれません。
また教習生の側に、いわゆる(聞く耳を持たない)(理解できそうにない)と感じた時は、指導すればするほど、教習生は混乱し、無駄になるかもしれないと思うからです。
また 技能習熟状況が十分でなく、予備制動以外にもっと重要なポイントを指導する必要がある教習生については、予備制動の説明は省略することもあります。
そこを補強する意味で、このブログに投稿参加しています。
予備制動の目的!後続車に対する予告
言うまでもなく 後続車に、「これからブレーキをかけますよ!」と予告するものです。
予備制動の目的!指導員、検定員に予告
指導員検定員に予告すると言ったら言い方がおかしいかもしれませんが、よくこう 言って指導していました。
というのは前方が赤信号なのに全く ブレーキに足を置こうとしない(構え ブレーキという)教習生が結構多くいるのです。
指導員が「赤信号だよ。気づいてますか?」と尋ねると、「分かってます!これからブレーキをかけると思ってたんです。」とか、「ちゃんと停まれる 自信があるから停まれますから!」と 開き直りとも思える態度を取る 教習生がいるのです。
予備制動の目的!ブレーキの【遊び】を理解する。
ブレーキに限らず、機械類には、「遊び」というものが存在します。特に多くの人に使用される専門的な機器でないと「遊び」はとても大切だとされています。
予備制動は、その遊びの部分を使って、まだ ブレーキが効かない状態で、ブレーキランプ だけが光るという状態を使うのです。
予備制動の目的!ブレーキのかけ方が円滑になる!
ブレーキには「遊び」があると申しましたが、【遊びがある】という事は、ブレーキランプが光る事になります。ということは、軽くブレーキパッドとブレーキディスクが接触していることになります(接触しない場合もありますが)。ここで ブレーキパッドとブレーキディスクがある程度の熱を持つと、本格的にブレーキをかける時に 穏やかに ブレーキが操作できるということにつながります。
よくスポーツ選手とかが体を温めるために体の可動域を動かしますね。一般的に言えば 準備運動にあたります。
機械も同様の効果があります。 最近ではあまり言われてませんが、自動車を実際に動かす前、に数分間 エンジンをかける「暖気運転」に相当すると思ってください。
断続ブレーキを始める場所(地点)と場合(時期)
断続ブレーキを始める場所(地点)と場合(時期)について、私の教習経験からお話しします。
因みに、場所と場合の使い方について詳しくはこちら↓↓
自動車学校で良く言われる「場所」と「場合」。どう違うの?珍教官の珍教習!
学科教習 や技能教習の時に度々出てくる、(場所)と(場合)!
皆さんは この 使い分けが分かりますか?
実は、自動車学校の教官も この 使い分けがあまりできていないと感じることが多いです!
学科教本 見ても、運転教本を見ても、...
断続ブレーキを始める場所(70m手前)
断続ブレーキを始める場所(地点)は、右左折や転回をする場所を参考に指導していました。
右左折の合図は、30m 手前と決められていますが、実際問題、「約」がついてないからと言って、30m から 1m でもずれたら減点するということはまずありません。
右左折や転回をするときの、合図を出す場所は、右左折や転回をする地点の30m手前ですよね。
合図は、それでいいのですが、ブレーキ(本制動)をかける場所は、30m手前では遅すぎますね。
右左折や転回をする場所では、徐行か停止をする必要があります。普通に考えて、30m手前ですと、良いブレーキ操作をしたとしても、停止できるかどうか怪しいのです。
時速50km/hでの停止距離は、32mと言われていますからね。
となると、私は、予備制動をかけるのは、その30m手前の更に30m手前(つまり60m)手前でかけるように指導しています。
「アレ?見出しには70mと書いてあるよ?」と思われるかもしれません。(笑)
実は、30mと言うのは、教習生にはなかなかつかみづらいのです。(いや私から言わせれば、教官もわかっていない人が多い)。
電柱間隔が平均35mなのです!
これだと、教習生にもわかりやすいでしょ。私は、このように指導していました。
予備制動も、「電柱間隔2本手前」で始めましょう」と。
進路変更を電柱間隔でする投稿記事はコチラです。↓↓
進路変更(路上)の時期のコツと方法!(同一車線内)合図や確認のタイミングは?珍教官の珍教習記録!
進路変更!苦手な方が多いのではないでしょうか?
別記事で、主に一段階(コース内)の進路変更について書きましたが、今回は応用編です!
コース内ですと、目標物がはっきりしているので、何回も練習すれば自ずと定着しますよね。
でも...
電柱間隔を予備制動開始の目安にするのは、地点だけ!
地点と言えば、場所ですよね。信号交差点、踏切、一時停止場所、徐行場所、横断歩道等、安全地帯、等々、前以て減速や停止することが決まっている場所で、電柱間隔を使って指導してきました。
断続ブレーキを始める場合(約3秒前)
私は進路変更などをする前のウインカーを出すタイミングと同じような時期で断続ブレーキを使用するように指導することが多くありました。
ここでは、【場合】(時期)ですよね。
予備制動は本制動の約3秒前
進路変更等の合図を出す時期は、その行為を行う 約3秒前に行います。
また検定の受検者である教習生も、合図を出すのは、約3秒前です。
予備制動は、「合図」の意味合いが強いので、進路変更等と同じように、3秒手前を指導してきました。勿論、本格的に制動を行う「約3秒前」という事です。
予備制動を約3秒前って、どんな状況?
場所が決まっていなくて、本制動を行う場合です。
前方が混雑している等の理由で、前車がブレーキをかけた時、
駐停車車両がある時、
歩行者等の無理な横断が合った時、
その他、道路状況・交通状況により本制動を行うことが予想される時、
等と考えています。
前以て、場所が決まっていなくて、あくまでも場合です。
目の前の状況が、刻々と変化していますので、【約3秒前】が指導しやすかったです。
電柱間隔を目安にする理由!
私は、電柱 間隔を重視しています。
電柱 感覚は、ネットで調べたところ、北海道 等の広大な土地 以外の 場所(つまり 自動車学校があるような 比較的建物の多い市街地)では、基本的に 平均35m 間隔で設置されています。
詳しくはコチラ↓↓
進路変更の指導の時に電柱間隔を重視していますので、詳しくはこちら↓↓
https://car-life-1980.com/sinhen-rojyou-691
予告制動の回数と点滅頻度!
予備制動の点滅回数
・予備制動の点滅回数は、基本的に3回を目安にしています。
特に理由は考えていませんが、5回も点滅すると、リズムを崩しやすいと思うからです。 また後続車も戸惑うと思うからです。さらに本制動遅れやすいということもあります。
・もう一つの理由は、2回以下だと相手に認識されにくく、4回以上だと、(煽り運転)と思われる可能性が高いと思うからです。
予告制動の点滅頻度
予告 制動の点滅 頻度は、ウインカーのあるいは ハザードランプの点滅 頻度と一緒くらいがちょうどいいと感じています。
ウインカーの点滅 頻度は 教習生にもつかみやすいと思います。
また他の交通(特に 後続車)にも認識しやすいリズムだと思うからです。
ウインカーの点滅速度は、道路運送車両法により、1分間に60回から120回 と定められています。
1秒間に換算すると1回から2回ということになります。
進路変更の合図が、約3秒前ということになっていますので、3回から6回の範囲内で点滅することになります。
教習車は予備制動の練習に最適?
路上教習前の灯火類の点検!
自動車学校に教官として働いておられる方だったらわかると思いますが、毎回路上教習に行く時に灯火 類の点検をしますね。ブレーキ等を点検する時に、「ハザードランプ または ウインカーの点滅回数に合わせて ブレーキを3回 踏んでみてください。このリズムで 断続ブレーキを行うと後続車に見やすいですよ。」と指導しています。
教官にも見えるブレーキ灯連動ランプ!
さらに、「ブレーキ 灯の点滅状況を室内から見られるのは、教習車だけですよ。この教習車で、リズムを掴んでおくと、免許を取ってからブレーキ 等 の点滅のリズムが掴みやすいですよ。」と話すようにしています。(但し、教習車両でもブレーキ灯のインジケーターランプが無い教習車も、稀に有ります。)
個人的には、これだけ 断続ブレーキを推奨しているんであれば、教習生(免許取得後の一般ドライバーも)に見えるように、メーターパネルの辺りに、ブレーキ灯に連動するインジケーターランプを ウインカーのインジケーターランプと同じように 標準装備してほしいくらいです。後付けでも良いので(笑)。
国土交通省 さん、なんとかなりませんかね。(笑)。
予備制動!珍教官の珍教習!
「予備制動」より「未来予想図Ⅱ」で指導!
私は、このポンピングブレーキをかける時に、ドリカムの未来予想図Ⅱ になぞらえて、「いつも ブレーキランプ 3度点滅、 止まるかも のサイン。」と指導していました。
詳しくは、こちら↓↓
ブレーキとは?AT車の緩やかなフットブレーキのかけ方!コツと方法!珍教官の珍教習記録!
教官にブレーキのかけ方が「きつい」とか「弱い」とか言われたことはありませんか? ほとんどの教官が、「ブレーキの方がきつすぎる。」 「ブレーキのかけ方が弱い。」「 もっと強く踏んで。」「もっと優しく踏んで。」くらいの助言しかしてないように思え...
予備制動前のルームミラー確認も大切!
さらにこ この内容とはちょっと外れますが、検定の採点基準に、安全不確認[後方]があります。
確か、進路変更や後退以外で検定中に一度もルームミラー で後方を確認しなかった場合に適用するとあります。
ドリカム 未来予想図2の「ブレーキランプ…」の前の歌詞は、「私を降ろした後 角を戻る 曲がるまで見送ると…」とあります。
二種免許ではうるさく言われているんですけれども、普通自動車の検定ではあまり うるさく言われていません。それも含めて、ブレーキ3度点滅の前には、ルームミラーを見て 後続車の確認をする癖をつけておく方がいいよと言っています。(笑)
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