自動車の運転中、速度を守るというのはなかなか難しいですよね。50km/hの規制速度の道路を走行する時、1kmでも超えると、教官から「速度超過」と注意され(叱られ)、遅いと「もっと加速して」と言われますよね。
教習中も、よく質問されますので、今回は、【速度を守る】について述べたいと思います。
教習所教官による運転教本参考書
このブログの趣旨!
まずは、こちらをご覧くださいね。「コツと方法」シリーズでの、基本的な私の意図と参考文献を示しています。
このコンテンツでは、運転教本を参考にして書いていますが、私は運転教本の参考書的な扱いで書いています。
運転教本では「堅苦しくて分かりにくい。」「受験勉強のように語呂合わせで覚えたい。」「裏技的な事を知りたい。」という要望を受けて、私の経験から作成しました。
そのことをご理解いただき、この文章を読んできた抱ければ幸いです。
私がこの記事を書くにあたってスタンスとか、思いについての詳細は、下記の記事をご覧くださいね。
運転教本の参考書!教官経験者達の指導方法(例)!珍教官の珍教習記録!
自働車の運転の教習(勉強)には、運転教本というものがあります。これは、学校の教科書のようなものです。巷では、参考書(これを読めば一発合格!等)もたくさん販売されています。
参考書には、教科書にない情報がたくさんありますね。売るために、...
このブログの個人情報対策!
このブログには、コメントができるようになっていますので、ご意見・ご質問等を受けることができます。
ただ、コメントに返信する必要がありますので、貴方のメールアドレスは、管理人及び数人の厳選された投稿者に知られることになります。
特に、現役指導員の方に質問すると、「教習生の連絡先を知ろうとした」と問題になってはいけないと思い、Lineの【Open Chat】 を開設しました。
これですと、貴方からのLineのIDも知ることはできませんし、ハンドルネームで参加できますので身バレもしないので私的には、良い方法だと思います。
教習生の方で、教官から知らされてこのブログを見た方は、このOpenChat で質問してくださると個人情報も漏れずに、気軽に質問できると思います。
但し、現役教官のライターさんが居ますので、差し支えなければ、ハンドルネームの中に教習生番号を入れて頂けたら、より適切なお答えができると思います。
例えば、教習生番号が「8765」であれば、「8765hiukonyan」とか「87kuma65mon」とかとして頂けると、ライターもお答えしやすいと思います。
OpenChat 名:【自動車学校お悩み相談室】
管理者名:【きょめん76】
速度を守らないと、どんな減点があるの?
速度に関する、検定の採点基準をまとめてみました。因みに、それぞれの減点項目の後ろにある数字は、採点基準の冊子のページですので、気になさらないでください。私が、リライトする時のために記載しています。
速度超過 68
減点数
路上 20 場内 20
適用事項
道路標識等により最高速度が指定されている道路では その最高速度、その他の道路では 政令第11条に定める最高速度、または場内試験では速度指定区間の指示速度 をそれぞれ 超過した場合。
速度維持 [課題外速度] 49
減点数
路上 ⑩ 場内 ⑩
この⑩は【特別減点細目】と言います。
特別減点細目 とは?
その減点細目について、「1回目は減点を保留するが2回以上該当した場合は 遡って1回目から その全てを 減点する。」と言うものです。
適用事項
道路及び交通の状況に応じた加速が不適切な場合。
1 通常出し得る速度に達するのが遅い時。
2 通常出し得る速度を維持しない時。
備考
1 加速不良のため、その道路の最高速度 又は通常出しうる速度より 概ね5km/h 以上遅い速度で走行しているため、交通の流れを妨げる恐れがある場合には、適用後 注意を与える。
難しい書き方をしていますが、簡単に言えば、
最初の適用では、つまり減点しないで、チェックだけしておくのです。(この場合、「適用」と言います。)
適用後「注意を与える」では、「この道路や道路状況では、もう少し速度が出せますよ」と言う趣旨の注意をします。
そのような注意を与えたにもかかわらず、概ね5km/h 以上遅い速度で走行した場合に、1回目の適用にさかのぼって、減点するのです。
速度維持 [課題速度] 49
減点数
路上 ‐ 場内 10
適用事項
1 試験課題 履行 条件(「指定速度からの急停止」を除く。)による速度指定区間を、指示速度より 概ね5km/h 以上遅い速度で走行した場合。
[区間]
2 「指定速度からの急停止」の課題において、指定速度に達しない速度で急制動開始線にかかった場合、または 急制動開始線では指定速度になっていたが、その手前から制度を始めた場合。
[急停止] ※これは二輪の課題です。二輪の検定の事も知っていた方が良いかと思い、参考までに載せています。
速度速過ぎ(小) [速過ぎ] 53
1 道路及び交通の状況に適した安全速度よりおおむね5km/h 未満 速い場合。[速い]
2 カーブで概ね 0.3 G 以上 0.4 G 未満の横加速度を生じた場合。[カーブ]
3 省略(二輪の適用事項の為)
速度速過ぎ(大) [速過ぎ] 53
1 道路及び交通の状況に適した安全速度よりおおむね5km/h 以上速い場合。 [速い]
2 カーブで概ね 0.4 G 以上の横加速度を生じた場合 またはカーブ 手前の直線部分での制動時期が遅れ ブレーキをかけながらカーブに入った場合 またはカーブに入ってからブレーキをかけた場合。 [カーブ]
暴走 53
危険行為
言うなれば、検定一発中止事項です。
ブレーキ ハンドル 等のコントロールを失い 危険な場合。
速度についての知識!最高速度とは?
一般的に 最高速度と呼ばれるものにはいくつかの種類があると思ってください。
法定速度
自動車の種類によって法律で定められた最高速度 です。
一般的に、原動機付自転車は30km/hです。
原動機付自転車以外の自動車は60km/hです。
規制速度
それぞれの道路において 標識や標示によって規制されていることのことを 規制速度と言います。
安全速度
主に警戒標識で「安全速度」と示されている速度のことです。
もう一つ 安全速度というのは、教習指導員や技能検定員の判断による安全速度と言うものも存在しているようです。
課題外速度
これは 安全速度と似ています。どちらかというと「加速不良」で使われることが多いです。
課題 速度
これは 一般的には 教習車内でよくある「指示速度」です。
暴走
ブレーキや ハンドル 等のコントロールを失い 危険な場合。
速度を守るコツと方法は?~速度維持に関する減点とは?
減点される項目でお分かりのように 速度超過は20点減点になる可能性が高いです。
一方 速度不足は基本的に10点の減点で済みます。
速度超過は減点される機会も点数も多い!点数20点
速度超過の減点は20点
採点基準をよく読み込めたらわかるのですが、速度超過は例え1km/hでも 20点減点される可能性が高いのです。
学科教本にも書いてある通り、「例え1km/hでも決められた速度を超えてはいけない」のです。
速度速過ぎ(大)の減点は20点
速度速過ぎ(小)の減点は10点
速度不足は減点される機会も点数も少ない!点数10点
速度維持 [課題外速度] の減点は⑩点(特別減点)
一方 速度不足は、概ね5km/h 以上遅い速度で走行した場合に適用され、一度注意を 与えられてから、再度 適用された場合に最初の適用に加算されるので20点減点になります。
ということは、速度不足の場合、出しうる 速度から5km/h以下の速度不足であると減点できないということになります。
これをうまく使わない手はないと思います。
50km/h道路であれば 47km/h から 49km毎時で走行すれば基本的に減点されないことになりますね。
検定員の人も交通の流れに乗れなくなったら苦口も言いたくなります。 でも ずるいですが 苦口を言われるということは 減点できないと考えていいのです。
速度維持 [課題速度] の減点は10点(場内のみ)
いわゆる【指示速度】です。指示速度の場所で、指示された速度を出さないと10点減点です。
検定員の人も交通の流れに乗れなくなったら苦口も言いたくなります。 でも ずるいですが 苦口を言われるということは 減点できないと考えていいのです。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」ではなく「及ばざるは過ぎたるに勝れり」
話はそれますが 中国で「論語」という書物がありますね。その中で 「過ぎたるは及ばざるが 如し」があるのがよく知られていますね。
しかし そのことわざに逆らうような言葉があるのをご存知でしょうか。
実は 江戸幕府を開いたかの有名な徳川家康は亡くなる直前に 遺訓として 次のような言葉を残しています。
「及ばざるは過ぎたるに勝れり」です。
元々は負けるという わかっている戦に兵隊をつぎ込んで 兵隊を失いつつ 負けるという選択をするよりも 兵隊を引き上げて 兵隊の損失を減らした上で負ける方が 次の戦いのように聞いています。
これを 道路交通法に合わせて教習生に話していました。
今回 今回の速度の話も同じです。
速度超過は20点 減点。
速達 不足は10点で減点が原則。
まさに「及ばざるは過ぎたるに勝れり」でしょ。(笑)
速度を守るコツと方法は?~珍教官の珍教習!
本能的に速度超過する教習生!~気持ちが「速度を守る」気がない!
この性質の教習生は、なかなか治りません。そもそも、このブログを呼んで下さらないでしょうね。(笑)
「こら!速度超過してる!」と叱っても、数秒後には超えています。この人は、いわゆる「飛ばし屋」の性格。
「僕、知らないうちに速度超過してしまいます!」は 反省してるようで、守る気がない人。
こういう教習生は、ガツンとショック療法で指導しました。強く補助ブレーキを踏んで、「格好悪い」と思わせる方法です、又は、教習生がキレそうなほど、言い続ける事です。
それでも、治らない場合は、欧陽菲菲の「ラブイズオーバー」を例えに出して、
「スピード オーバー 哀しいけれど 終わりにしよう 点数無いから~」と歌います。原曲とは違いますが…。かなり皮肉るのですが、それくらいしないと、この手の人は治りません。
技能不足で速度超過する教習生!
私は路上教習に行く時に必ず「今日の路上教習の(教習生の)目当て」を言っていただくようにしていました。
ある時「私は 速度超過が多いのです。」という教習生がおられました。
教習生「必ずと言っていいほど 1km/h か2km/h 速度超過するんです。」「先生が『アクセルをしっかり踏んで加速して。』と言うので頑張って アクセルを踏んで加速し、50km/hになったらアクセルを緩めるのですが 大抵 1~2km/h 位速度オーバーしてしまうんです。慌てて ブレーキを踏むと また、スピードがガクンと落ちるんです。『スピード落としすぎだよ。』と言われてまたアクセルを踏むとスピード超過してしまうんです。」
私が、その時に とっさに思いついた方法ですが、その後 速度超過にお悩みの人に有効だったのでこちらでご紹介しますね。
ごくごく当たり前のようなことなのですが、速度超過で悩んでいる人に これからお話する内容を話すと、「なるほどそうやればいいんですか?」と同意してくれるのです。多分それぞれの教官の伝え方の問題だと思うのです。教官自身は理解できていても、上手く教習生に伝わらないのではないかと思うのです。
こんな私が とっさに思いついた方法が、意外にみんなに伝わっていないんだな ということに驚きを感じています。
私は言います。
「速度50km指定の道路で加速できるような交通状況であれば、45km/h位まではしっかり(教官に言われない程度に?)加速していきましょう。 その後、47km/hぐらいまでは緩やかな加速に切り替えましょう。そこで一旦アクセルを緩めてみてください。今までの加速の勢いがついているので、それから50km/h近くまでは、車は緩やかに加速していきます。そうしたら50km を超えることはほぼないですよ。」
もちろん、車の性能や 本人の技術、あるいは上り坂・下り坂によって違ってきたりもします。 しかしそこから先はご本人の速度感覚と技量に応じて、決めて頂くようにしています。【しっかり加速】・【緩やかに加速】と言ってもあいまいですからね。
何が メリット かというと、50km/hメートルで走行しておれば、慌てて ブレーキを踏む必要がなく、少し速度超過したかな?と思った時に、アクセルを緩め、その後ゆったりと ブレーキが踏めるということです。
そうなると減速しすぎになる可能性も減ります。
先ほど速度超過のところでお話ししたように、速度を超えることは 即減点(減点20点)の対象になります。 ところが 速度不足の場合は、指定されてた速度より出せる状況にもかかわらず、概ね5km/h 以下で走行した場合に適用し、1度使用注意を与えて、その後2度目の適用に至った時に減点するという特別項目に該当します。
50km/hの最高速度が指定されている道路で、48km 毎時で走行していた場合、基本的に減点対象ではないんですよね。
そこで その知識を利用しているわけです。
もちろん、減点できないので、検定員は「ちゃんと出せるところは 制限速度の範囲内でしっかり スピード出していきましょう。」ということはあります。
しかしこれが減点対象であるなら検定員は受検者に対して「不要な助言」をしたことになるのです。
検定員に言われたら少し焦るかもしれませんが「これは減点できないから言っているのだ」くらいの余裕の気持ちで接したらいいかなと思います。
もちろん、遅い速度で走り続けると後続車にも迷惑をかけますし、場合によっては追突される危険もあります。検定員のアドバイスに逆らわず、なるべく、制限速度に近づくように運転していただく方が良いことはもちろんです。
珍教官の珍教習の一端でした。
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