タクシーに乗った事がある人は、必ずと言っていいほど 心配するのが、「近距離 (ワンメーター)」の時に、運転手が 不機嫌にならないかという事のようです。
実際 お客さんをお乗せする時に、ほとんどのお客様が「近くて申し訳ありません」と謝ってきます。
ここでは、近距離を嫌がるTaxi運転手の言い分をご紹介します。
Taxiドライバーの、近距離運送の苦しい事情を知って頂き、その事に配慮した言動をすれば、近距離でも、和やかに目的地まで運んで頂けると思いますよ。
近距離は、コスパが悪い!
簡単に言えば、Taxi運転手が近距離を嫌がるのは、コスパが悪いからです、
「コスパが悪い」とは、一般的には、お金、時間、労力、精神的負担、等が言われています。
因みに、近距離の事を、【ワンメーター】【3桁(ミケタ)】とも呼びます。
お金のコスパが悪い!
タクシー会社では、たくさんのタクシーを維持管理しています。
又、タクシー会社では、色々な人が働いています。
タクシー車両のコスパ
実車1kmでも、迎車10km!
例えば、電話で呼ばれて、10km 先の場所にお迎えに行ったとします。
Taxiで向かってお客様をお乗せして、1km先の隣町までお送りします。700円頂いて…。
又、車庫まで帰るのに10km走行しなければなりません。
その間の燃料代、自動車の消耗品、等を考えたら、会社としても割に合いません。
事故発生リスクが高い!
私は、自動車事故対策機構の適性診断の資格を一時期持っていましたが、その時の研修で、言われました。
「自動車の運転中で、事故の発生率が高いのは、出発してから5分以内と到着前の5分だ。」と。
出発から5分以内!事故が多い!
出発してから5分以内は、運転者の【慣らし】ができていません。
又、忘れ物はないか?用事の確認、運転計画(ルート確認含む)、渋滞情報、等の事を行うドライバーが多いからだそうです。
しかも、タクシーであれば、お客様乗車直後に、行き先とルートの確認をしなければなりません。発音不明瞭な人が居たり、「俺の家も知らないのか?」等と言うお客様がいます。
そんな事を言う暇があるなら、「○○町のローソンまで!」と言えば良いのに…。(笑)
そして近距離ですと、そんなやり取りをしている間に、目的地に近づくのです。
到着5分以内も事故多発!
到着予定時間の5分以内も事故が多発 しています。 目的地 付近になると 目的地の建物の名称 や 大きな工場などでは どちらの門にから 入るかとか 道路交通状況に集中できない状態が続きます。 また 「目的地が 分かった。」という安心感から 運転に隙が生まれるとも言われています。
近距離は10分以内で終わる!
と、言うことは、近距離ですと、事故発生率の高い危険な状況しかありませんね。
しかも、他の部分で述べてる、日報記載、料金の収受、運転計画、お客様の対応…、と危険な要因が盛りだくさんなんです。
人件費のコスパ
例えば、1時間の間に、3000円の仕事を一本したとしましょう。
ドアの開閉、荷物の積み降ろし、行き先の確認、ルートの確認、運送、支払い、等々の業務は、基本的に一回だけですよね。
ところが、同じ1時間の間でも、1000円の仕事を三本しますと。
ドアの開閉、荷物の積み降ろし、行き先の確認、ルートの確認、運送、支払い、等々の業務を、最低3回行わなければなりません。
支払い業務でも、チケットや、未収伝票(請求書)、金券、等々があると、とても煩雑なのです。
勿論、それにかかった費用は、お客様に請求出来ません。(ほとんどの乗務員は、信号待ちなどを利用して、それらの業務を行っていますが、その乗務員に、お客様を降ろした直後には、なかなか配車できないのです。)
これも、積もり積もれば、損失になりますよね。
時間のコスパ
実車5分も、待機時間一時間以上
例えば、駅で待っているタクシーは、順番待ちのため長い列ができている事があります。 長い時は1時間と言わず、2時間も3時間も待ちます。それだけ待って、700円のお客さんだと、実質運転手に入ってくる 収入は 300円程度です。3時間待って 5分走って 700円だとすると、時給に換算したら 100円ということになります。 やってられないですよね。(笑)
お客様の質が悪い事が多い!
近距離だと、「言いたい放題」のお客様が多いです。
指定時間に遅れる!
「 近距離の人ほど 予約した時間に遅れてくる。」 というのはタクシードライバーの 常識 みたいになっています。
「 近距離の人は タクシーを見てから 玄関のドア開けて 出てくる。 そして 玄関のドアを閉めて 鍵も確認してから タクシーに乗車する。」 というのも タクシードライバーの 間からよく聞く話です。
反対に 遠距離の人は 準備万端整っていて 予約した時間より5分早く着いても、もうすでに玄関の戸締りまで 済ませて 待っている人が多いです。
急がす!
最も最悪なのが、 予約時間に遅れておきながら「 急いで。 急いで。」 と連呼して 急かす人です。「 時間がないんだから 早く行って」 と言います。(そんなに急いでいるなら せめて 予約の時間を守れよ!) と思います。
料金の支払いに手間取る!
そうやって(急がしてる)割に、支払いは、 めっちゃ ゆっくり なんです。 確かに料金が確定するまでは お金がわからないのも分かりますが 運転手に「急げ、急げ」と言ってる割には、支払いになると ゆっくり なんです。
抜け道を指示する!
抜け道はアクシデントが多い!
細い抜け道を指示をする人が多いです。 近距離の人は 自分の生活圏 なので 道をよく知っていると言えばそうなんですけど。 対向車と行き違いに苦労するような道ですと 対向車とか 駐車車両とか 故障車などがいると たちまち 時間を取られます。 そして 必ずと言っていいほど文句を言うのです。「 こんなところに駐車しやがって。」 もちろん 運転手 に言ってるのでは ないのは分かっています。 しかし 同じ空間に いながら 相手に聞こえるはずもないのに言われると 運転手は憂鬱になります。「 あなたがそこを行けって指示したんでしょ」 と言いたくなります。
抜け道は信号待ちが長い!
抜け 道 から 広い道に出て行く時は 信号待ちが長いということもよく知っておいてください。 余裕がある時には 私も 説明するんですが 近距離の人で 急いでいる人だと こちらの言い分 なんかを聞かずに とにかく こっちが近い。 と言って聞かないんです。 そして この信号長いな 。 と文句を言うのです。
法令違反を強要する!
急ぎたい あまり 運転士に法令違反を強要する お客様も 近距離のお客様に多く見られます。
「 黄色信号で も 突っ走れ。」
「 時速5km ぐらい 超えても捕まらないから」
「 横断歩行者は 自分から よける はずだから いちいち止まるな。」
等々、 急いでいるからなのでしょうか ?法令違反を 運転手に強要する場面が多々あります。
文句が多い!
タクシーで近距離を 移動するお客様は とにかく文句を言う人多いです。 タバコ 臭い。 シートが汚れている。 暑い。 寒い。 とにかく 我慢できない人が多いです。
料金を値切る!
途中で 「メーターを切れ。」「 100円未満の はした金 なら まけろ。」 障害者手帳も提示せずに、「障害者だから負けろ。」、「待ちメーター(時間メーター)を止めろ。」等々…、 近距離のお客様に 多いです。
忘れ物が多い!
近距離のお客様は 忘れ物が多い です。 (すぐ届けてくれる。)とでも思っているのでしょう。 逆に 遠方のお客様は 降りる際に ちゃんと座った分を見て降りるので、忘れ物は少ない傾向にあります。 しかも忘れてからと言って、(忘れ物)を 届けてもらうまでに かなり時間かかりますからね。
労力のコスパが悪い!
釣り銭の用意
例えば片道 1時間乗車されたとします。 元の場所まで戻るのに1時間かかります。極端な話、釣り銭の用意は2時間に1回だけで 良いです。
一方、近距離が続き、2時間の間に5回 お客様を乗せすると 5回 釣り銭を計算して用意しなければならないのです。
しかも 近距離で 支払いを 1万円札 なんかで され、それが3回続くと 約3万円分の 5000円札や1000円札が必要になります。
領収書の管理
領収書も 実車(賃走)の数だけ必要になります。
お釣りと一緒で これも結構 管理が大変なんです。
日報の記入
お釣りのところでも言いましたが 片道1時間の長距離の走行ですと 日報は1回書くだけです。
車の清掃
忘れ物の処理
精神的負担のコスパ
精神的
運賃にならない仕事!
行き先確認(ルート確認)
大きな荷物の運び込み
車椅子等の対応
支払い方法
待機時間を考慮した料金!
タクシーの料金は高いとよく言われています。でもよく考えてみると、バスや電車などの公共交通は、基本的に何時に出発という風に出発時刻が決められています。
又、目的地 も 決められています。
お客様がその時刻表に合わせて乗車するのです。
一方 タクシーは オ、ーダーメイドなんです。 バスや電車を利用できない時間帯、 目的地、あるいは絶対 座りたいというような身体的事情等に考慮して運行する のが タクシーなのです。
お客様のニーズに合わせてほぼ 貸切状態で運行するから値段が高いのです。
さらに言っておくと いつも 多めにタクシーを用意しておかないと いろんなお客様から注文があった時に対処できません。 待機している時間も うんちの中にある程度 膨らまく含まれていると 考えていただけたらと思います。 その待ってる時間に対して 実際に運送する時間が短いと いわゆる 割に合わないということになるのです。
対応時間より短い!
実車5分でも、対応はその倍位!
行き先確認!
車を運転している間は5分でも、運転前には、お客様の 行き先を確認しなければなりません。
困ったお客さんが、「自分の家まで行ってくれ」という人です。 私が、「あなたをご自宅を 知りませんけど。」 と言うと、「ひと月ほど前に、あんたが家まで送ってくれた。」というのです。「申し訳ないけど、よく覚えていないので言っていただけませんか。」と言うと。「何で覚えていないんだ。 それでもタクシー運転手か?」と言い返してきます。最終的には 家の住所を言ってくれるのですが、「それなら最初から言った方が時間の節約になりますよ。運転手も気持ち良く運転できますよ。」 と言いたいです。
そもそも タクシー 事業者の運送約款には、「お客様が行き先を伝えられない場合は、運送をお断りしてもいい。」という旨の言葉が書いてあります。
話すのが嫌なら スマホで 住所を 見せてくれたらいいのです。 ほとんどの タクシー に 現在 カーナビがついています。 実際 かなり認知症の入ったような お年寄り な方でも 住所だけは きちっと行ってタクシーに乗って来られます。 外国人で 日本語がうまく話せない人は スマホで調べた画面を見せてくれます
大きな荷物の積み込み
またキャリーバッグを トランクに 積んだり します。
乗り降りに時間がかかる!
体の不自由な方の乗り降りに 時間がかかると あっという間に5分ぐらい経ちます。
でも個人的には 不自由なお 体で、乗車が遅いのはまだ許せます。(笑)
お酒の入った男性客が、飲み屋のお姉さんと、バイバイをしたり、ハグしたりしていると、イライラします。 またお酒が入っていなくても 家族と の お別れ とかで 何度も何度も いろんな話をして待たせるのも 困りもんです。 そういうことは タクシーが来る前に済ませてくれと言いたいです。
時間指定で予約しても出て来ない!
時間指定で予約をしておきながら、Taxiで到着すると、「あっ、鍵を忘れた。」「こたつの電気切ったかな。」「そうそう 留守番の人に言っておかなくちゃいけないことがあった。」などと、平気でタクシーを待たせる人がいます。 時間指定しているのなら その時間までに しっかり準備をしておいて欲しいものです。
それでも、「運転手さん 待たせて、悪いね。もう【実車ボタン】押し とっていいから。」と言ってくれる人はまだ許せます。
別の記事でも書きましたが、5分あれば 空いてる道路 だったら 2000円 近く メーターがあがることがあるんです。まさに、「時は金なり」です。
ひどい人になると「ちょっとぐらい待ってくれても いいではないか!」と 開き直る人もいます。
もっとひどいのは、予約を受けて現地に向かうと、「ごめん用事が長引いてるから キャンセルして。また、用事が終わったら呼ぶから。」という人です。そこまでの燃料代、その場所に向かうまでの運転手の時間と労働は 全く考えてくれてないのです。 皆さんも外食した時などにお店で食べ物を注文しておいて、「ごめん 急に用事ができたから食べないから」 と言って お金も払わずに帰りますか?
失礼ながら、そんな人は 仕事もできない人だなと思ってしまいます。
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