原付商品標識(試乗標識)利用のメリット(利便性)とデメリット(注意点)をお知らせします。個人で8枚交付の経験から

 原付商品標識(原付試乗標識)は、バイク店や古物商に貸し出される、とても便利なナンバープレートです。

原付商品標識は、交付条件や交付対象が限定されており、使用方法等が、細かく決められています。

しかし、バイク店の業者が、それを承知の上で、利用しているには、多くのメリットがあるからです。

この記事では、原付商品標識の使用上のメリットと、注意点であるデメリットについて述べていきたいと思います。

メリットとデメリットを理解した上での活用をお勧めします。

 

 



原付商品標識利用例!

 原付商品標識は、試乗、試走、回送、運送、陸送、営業、に活用されるためのものです。
・バイク店(中古車を扱う店)
 残念ながら、原付の場合は、自賠責保険切れのまま修理等に持ち込まれる事もあります。又、ナンバープレートが付いていても廃車になってる場合をあります。
 その場合、修理状況の確認の為の試走(試運転)が出来ません。又、そのような車輌を試運転で運行すれば、道路交通法違反になります。
 それらを未然に防ぐ目的でもあります。
・古物商(「オートバイ商」なら尚良い)
 バイク店と、ほぼ同じですが、古物商は、訪問先での引き取りも多いです。
 (いわゆる、『行商』です。)
 試運転しないと修理可能か否かを判断出来ません!



原付商品標識のメリット5つ

別記事で書いております通り、私は、古物商という立場で、一時期、8枚の原付商品標識(原付試乗標識)の交付を受けていました。

原付試乗標識を8自治体から貸与された時の手続きの実際!
原付試乗標識ってご存じですか? 原付試乗ナンバーとか原付商品標識とか呼ばれている、赤い斜め線が引かれている特徴のあるナンバープレートです。(赤い斜め線が引かれていないものもあります) その、原付試乗標識の便利さを知れば知...

 

今回は、その原付商品標識(原付試乗標識)を約6年間利用してきた私が、そのメリット(利便性)とデメリット(注意点)について述べていきたいと思います。

一応、本業は、法令順守が求められるお仕事を続けていますので、法令違反は御法度です。

私が把握している法令の中での利用事例になりますが、それでも良ければ、お読みください。

 

メリット①対象車両が多い!

原付商品標識の使用対象車両

販売目的での商品としての未登録のバイクです。

・125cc以下の未登録のバイク
 (原付二種と原付一種)
・原付ミニカー
・小型特殊自動車(一部自治体のみです。この車両は、原付ではありませんので)
原付商品標識の標識交付証明書には、車台番号が記載されません。従って、対象車両であれば、全ての車両に付け替えて利用できます。
所謂、販売実績を満たした自動車販売業の「ディーラーナンバー」と同じような使い方ができるものだと思ってください。

メリット②手続きの簡素化

未登録の対象の原付全てに取り付けられるので、個別の通常のナンバープレートと違いますね。

どういうことかというと、以下の文章を読んでいただけたらお分かりだと思います。

原付商品標識がバイク店にもたらすメリット

 つまり、「短時間だけなら」、「近距離だけなら」という事で、ナンバーを交付されていない原付を公道で走らせないようにするための物であると思っています。
 又、部品調達の関係で、H社のバイクとY社のバイクとK社のバイクとS社のバイクを並行して修理することがあると思いますが、いちいちナンバーを取得して、自賠責保険人入って・・・と言う面倒を避けるためでもあると思います。

原付商品標識が役所にもたらすメリット

 役所は通常の原付ナンバーであれば、試乗する為であっても、ナンバーを交付しなければなりません。試乗が終われば、廃車にされます。ナンバープレートは、一度交付されたら、使いまわしはしません。一度交付されたナンバープレートは二度と使いません。下手をすれば、数日で無駄になるのです。
 ナンバープレートの無駄だけではなく、役所の職員も、登録・廃車にかかる手間も時間も無駄になります。
 ところが、原付商品標識であれば、数日間使用の為の登録・廃車を繰り返すことなく、一枚の原付商品標識で用は済むのです。
 しかも、複数の車両の納車整備を抱えている場合で考えると、メリットは計り知れません。原付商品標識が無ければ、それぞれの原付の試走をするたびにナンバー交付を受けて、自賠責入りなおして..と手続きが煩雑になります。

原付商品標識が保険会社にもたらすメリット

 保険会社においても、恩恵はあります。自賠責保険の「車両入替」は基本的に無料です。私も何度か
自賠責保険の車両入れ替えをしていただきましたが、保険会社の方に申し訳ない位、手続きは結構手間なんです。仕事とはいえ、全く収入に反映されないのです。

メリット③費用が格安

原付商品標識交付に必要な費用

 原付商品標識は、中古バイクを扱うバイク店や古物商に貸与されるものです。一般のユーザーに基本的には貸し出しされません。
 貸与という言葉が使われるように、基本的に非課税です。
でも、一般の人が原付商品標識の交付を受けるには、古物商許可証を受けねばなりません。
いわゆる、初期投資ですね。約20000円必要だと思ってください。
警察に申請する費用は19000円ですが、土地の登記謄本だとか、本籍s地の役所の発行する身分証明書だとか、写真とかを足すと20000円くらいになります。(自分で申請すれば!です)
原付商品標識自体の費用
原付商品標識自体は、基本的に無料(非課税)です。
 自治体によっては
 ※手数料、貸与料等がが必要な場合があります。
 ・手数料は、交付手数料なので、交付の度に請求される場合が多いです。一年更新の場合、ナンバーが変わるたびに交付手数料が必要になりますよね。
 ・貸与料は、貸出利用料のようなものなので、こちらも毎年支払いの場合が多いです。
※勿論、自賠責保険料は必要です。
 私の場合、現在、無料&永久貸し出しの物だけを残していますので、実質、自賠責保険料のみです。
 2年ごとのb更新の物もありますが、これはナンバーが変わらないので、交付手数料も取られません。あえて言えば、更新手続きの封筒代は必要ですね。

原付商品標識の費用面での保険会社のメリット

 保険会社においても、恩恵はあると思います。自賠責保険の「車両入替」は基本的に無料ですよね。私も何度か、自賠責保険の車両入れ替えをしていただきました。仕事とはいえ、全く保険会社の収入に反映されないのですから。更に言いますと、自賠責保険の期限を示すステッカーが、ナンバーが変わると、ボロボロになります。それも無料で交付してもらえますが、それも大変な手間でした。あくまでも保険会社さんが。
 たまたま、在庫に私の期限の原付用自賠責保険のステッカーがなかったものですから、「本部から届きましたら、後日送付いたします」と言われました。
 後日、郵送していただけましたが、郵送料やら封筒やら、随分手間と経費が掛かっているはずです。
 私が、保険会社の職員ならば、「こんな面倒な仕事は勘弁してほしい」と思うに違いありません。

 

メリット④使用目的が幅広い

原付商品標識は、中古バイクの売買を扱う業者向けのナンバーです。

一定数の販売実績を持つ自動車販売業に交付される所謂「ディーラーナンバー」に似たところがあります。

原付商品標識(使用目的)

主に、3つの目的があります。
・回送(納品や修理の為の引取)
・試走(エンジン調整と走行確認)
・営業(営業に回る?或いは現物のバイクを見せる?)
※自治体によっては、「回送」目的しか使用できないところもあります。
名称の所で申しましたように、原付商品標識の交付目的は、
①試乗(試走)の為
②商品の回送・陸送の為
③営業の為
とされています。
という事は、バイク店のために貸し出されるものなのです。
あくまでも、バイク店の店主が、
①走行試験の為の試乗(試走)をして不具合をチェックする為ですよね。「修理が適切に完了しているかを確認する為」であるとされています。あくまでもお客様の安全のためにと言う前提のようです。
やはり、エンジンが快調に回っても、負荷をかける(走行してみると)思い通りに走らないという事はままありますね。自分のバイクで経験済みです。
②商品の回送の為とは、商品であるバイクを、「お客様の元に配達する」又は「他のガレージ(営業所)」まで移動させるというものです。現在では、貨物自動車の普及により、需要は少ないかもしれませんが、近場の移動の場合、積んだりおろしたりと言う手間を考えると、試乗標識はとても有用かとは思います。
 私も、実際、バイクを整備中、部品の調達や工具の調達に、ホームセンターまで買い物に行くのに、整備済みのバイクで試走を兼ねて買い物に行ったりもしました。
③営業の為は、移動手段のないお客様に対して、実物のバイクを見せに行くため(まだ買ってもらえるかわからない)という事が主な想定場面ではないでしょうか?
 或いは、中古バイクを引き取る際に、ナンバーを返納してしまっているバイクの試走をする場合にも役立ちます。ましてや、土日祝日ですと、ナンバーを受けることはできませんし、自賠責保険にも入らねばなりませんから、原付商品標識の恩恵は多大なものがあります。
 つまり、「短時間だけなら」、「近距離だけなら」という事で、ナンバーを交付されていない原付を公道で走らせないようにするための物であるとも考えられます。
 又、部品調達の関係で、H社のバイクとY社のバイクとK社のバイクとS社のバイクを並行して修理することがあると思いますが、いちいちナンバーを取得して、自賠責保険人入って・・・と言う面倒を避けるためでもあると思います。
 このように、バイク店(古物商を含む)のみならず、役所にも、保険会社にも恩恵があると思えるのです。
 一応、文書では、使用目的が限定されていますが、試走目的という事であれば、ほとんどすべてに行けると思います。
 因みに、商品標識の一枚は、交付を受ける際に、試走か回送かどちらで使うか選ぶようになっていました。
 私は迷わずに、試走を選びました。だって回送ならば、目的地を問われた時に困りますね。
 でも、試走ならば、隣県に走りに行っても、長距離走行に耐えられるか?の試走ですと言えますね。
 トライアルタイプの原付二種もありますが、トライアルに適した性能を発揮するか?の試走ですと言えますよね。
 ちょっと無理があるかもしれませんが、法律上は問題ありませんよね。
 因みに、知り合いのバイクショップの方のアドバイスです。

原付商品標識(行動範囲)

・私の調べた限り、商品標識の行動範囲の規定はありません。
※従って、極端な話、沖縄県浦添市の商品標識で北海道に試走に行っても問題ない事になります。
お勧めはしませんけどね。だって、原付試乗ナンバーは借り受けた人に対して交付されているのですから。けがをしたりしてしまった時に、誰かに乗ってもらうというわけにはいきませんものね。

メリット⑤他の自治体でも交付可能

原付商品標識は、意外に知られていませんが、古物商営業所のある自治体以外でも、交付可能なのです。

実は、私は、古物商許可証を交付された日に、地元の自治体に、原付商品標識(原付試乗標識)を交付してもらうために自治体の役所に赴きました。

ところが、私の自宅兼古物営業所の住所地の自治体に、原付商品標識(原付試乗標識)の制度がなかったのです。

詳しく調べてみたら、昭和の時代に、税条例施行規則が削除されていたのです。30年以上前に。

削除された条例は見られませんが、他の地域の税条例を見ていると、非課税の車両のところに、日本赤十字社の車両が入っています。その条例の前後(すぐ後の場合が多い)に、原付商品標識(原付試乗標識)交付の条例が入っているので、日本赤十字社の非課税の条項の後ろにある条文が削除されているのは、原付商品標識(原付試乗標識)の条項だと推察できるのです。

当時、困惑した私は、ネットで調べてみました。しかし、ネットでは、営業所の無い地域では、「原付商品標識(原付試乗標識)の交付は無理」という情報ばかりでした。

しかし、無鉄砲な私は、古物商許可証を交付してくれた警察署長さんに、古物の取扱品目を増やす手続きの際に、相談したのです。

その時にアドバイス頂き、私の自宅兼営業所の住所地の以外の自治体で交付できる可能性を見出したのです。

これについては、詳しく述べている記事がありますので、こちらをご覧ください。

原付試乗標識を8自治体から貸与された時の手続きの実際!
原付試乗標識ってご存じですか? 原付試乗ナンバーとか原付商品標識とか呼ばれている、赤い斜め線が引かれている特徴のあるナンバープレートです。(赤い斜め線が引かれていないものもあります) その、原付試乗標識の便利さを知れば知...

更に、おめでたい性格の私は、私の自治体に、原付商品標識(原付試乗標識)の交付制度がないからこそ、他の自治体で交付してもらったからこその、私の経験を、書き残しておりまして、いつかは公開したいと思っていたのです。

そして、ブログに出会い、ブログで読んでくださる方が増えてきたので、ここで公開することにしました。

少し、工夫がいりますが、私は他の自治体で、合計8枚の原付商品標識(原付試乗標識)を受けました。

どれかの方法できっとできます。原付商品標識(原付試乗標識)は用途や外観で好き嫌いが分かれますが、ぜいたくを言わなければ、近隣の自治体できっと受けることができるはずです。

だって、古物商許可証を受けて4か月も経たないうちに、他の自治体からの原付商品標識(原付試乗標識)交付にこぎつけたのですから。



原付商品標識を使用してみてのデメリット(注意点)5つ!

デメリット①期間限定の物が多い

原付商品標識(有効期間)

はっきり言って、自治体次第です。
・年度毎更新(4月1日~3月31日)。
・一年更新(貸与開始日から一年)。
・数年度更新。
・2年更新(貸与開始日から二年)。
・自賠責保険期間更新(自賠責保険証書の有効期限に合わせての期間)。
・無期限(一度貸与されたら返却まで無期限)。
※因みに、私の場合は、ほとんど無期限の物しか現状残していません。
一年更新の物や、毎年手数料支払うものは、現状返納しています。
原付商品標識(原付試乗標識)を複数枚所有した理由の一つには、税条例削除による制度自体の終了です。
毎年手数料等を支払うものは、きっと制度維持が続くだろうという考えています。
無料で永年使えるものは残しておけば、制度が万一亡くなった時に、有料の原付商品標識(原付試乗標識)に切り替えたらよいだろうというのが私の考えです。

デメリット②使用目的が限定される

原付商品標識(原付試乗標識)は、主に、3つの使用目的があります。
・回送(納品や修理の為の引取)
・試走(エンジン調整と走行確認)
・営業(営業に回る?或いは現物のバイクを見せる?)
しかし、メリット④で述べたように、工夫次第で(理由付け次第で)それほど不便はないかと思います。
 でも、使用目的を見たら、うかつにレジャーや通勤では使用できないと思ってしまいますよね。



デメリット③使用者が限定される

・貸与された本人か、貸与された事業所の従業員しか使用出来ない。

・古物商許可証が無ければ基本的に貸与されない。

これは不便ですよね。一度、私の妻が、原付二種のバイクをネットで購入しました。届いたのが、土曜日の朝。当然、役所は休み。しかも月曜は祝日。つまり、3日間は、乗れないわけです。

妻は、私の借り受けた原付商品標識(原付試乗標識)を見て、羨ましそうに「火曜日迄登録できないんよ。そのナンバーだと、私のにも付けれるんでしょ」と言い寄ってきて困ったことがありました。

「このナンバーは、古物商の私に貸与されたものだからダメ。でも一つ方法があるよ。『私の営業所の補助者になった。』と言ったらいいよ。」と。

「田舎なので、お巡りさんも訳が分からないだろうから、きっと大丈夫!」と言ったら、「本当に近回りの試乗だけにするから」と言って、10分ほど試乗を楽しんだみたいでした。

妻だから、補助者にしても不自然ではないですからねぇ。(笑)



デメリット④自賠責に入るのに制限がある

原付商品標識(使用の注意点)

・必ず自賠責保険に入る必要があるのは勿論です。
 ※勿論、未加入は違反です。
  「6点加点で即、免許停止です」
原付商品標識(原付試乗標識)の自賠責保険は、
 ※コンビニ等では加入出来ない。
  「コンビニ等では、車台番号を入力する必要があるため」
 ※保険会社提携のバイク店、又は保険会社等で加入。



デメリット⑤一般に認知されていない

・原付試乗標識貸与証明書を携帯する。
 「貸与証明書」に注意書きとして、「携帯するように」記載されています。
 又、残念ながら原付商品標識について、無知な警察官も多いし、無用なトラブルを防ぐ為でもあります。
 (私も、市区町村の徴税吏員に提示を求められた事はありませんが、警察官に色々聞かれて、警察官に提示したことは度々あります。提示すれば、色々聞かれません。)
・認知度が低いので、違法ナンバーと思われる。
 ※警察官に疑われた事もある。
・原付二種なのに原動機付一種と誤認される。(逆もあり!)
・三輪の原付一種とミニカーと誤認される。
・珍しいため、良く質問を受ける。(笑)
・一々、付け替えが面倒。
 私は、ナンバー取り付けネジをナンバー取り付けステー(泥よけ裏側)からボルトを通し、泥よけにナットで固定しています。そのボルトの先にナンバープレートのネジ穴部分をはめ込み、蝶ナットで締め付けて試走しています。
※等々、デメリットも多いですが、非課税(無料)なので致し方ありませんね。
私は、目一杯活用しています。
古物商なので、売り物の中古バイクの試走などで。



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