令和2年から、大きな問題になってきた受動喫煙に対する法整備が本格的に始まりました。多くの企業で対策が練られていますが、教習所業界においては重大な問題だと私は考えます。
教習所業界における問題のいくつかの理由の代表例が
・喫煙者と非喫煙者が運転席と助手席で近いという事です。
・喫煙者と非喫煙者が会話を頻繁にするという事です。
・喫煙者と非喫煙者が基本50分間、狭小空間で密室状態を保つことです。
教習所での受動喫煙問題が深刻な理由!
特に、自動車教習所での受動喫煙問題が大きく取り上げられている理由には以下のものがあると私は考えます。
これは、喫煙者が教官、非喫煙者が教習生とは限りません。喫煙者が教習生、非喫煙者が教官の場合もあることを考えなければなりません。
受動喫煙に晒されるのは、教習生だけではなく、教官も同様なのです。
それが、望まない受動喫煙である可能性が大きいのです。
更に、望まない受動喫煙被害を受けた人が、更に、別の人を受動喫煙に晒す事にもなりかねないのです。
喫煙者と非喫煙者が近い!
・喫煙者と非喫煙者が運転席と助手席で近いという事です。
普通車の場合、1mも離れていません。
場合によっては、肩と肩が触れ合う、腕と腕が触れ合う可能性さえもあります。
指導のため、手と手が触れ合うこともあり得ます。(補助ハンドルのため)
喫煙者と非喫煙者が会話をする!
・喫煙者と非喫煙者が会話を頻繁にするという事です。声を出すという事は、呼気に含まれる喫煙による有害物質が同乗者の体内に入りやすいという事です。勿論、同乗者も、呼吸をするわけですから、有害物質が体内に入る危険性が増すわけです。
喫煙者と非喫煙者が基本50分間ずっと同席!
・喫煙者と非喫煙者が基本50分間、離れられないという事です。
自動車教習所では、法律により、基本的に50分間の教習を確保しなければなりません。50分間の確保ができなければ教習不成立という事になります。
喫煙者と非喫煙者が、狭小空間で密室状態!
・喫煙者と非喫煙者が、基本的に狭小空間で密室状態の中にいるという事になります。
喫煙による有害物質は、皮膚から吸収されるとも聞いています。又、喫煙者の皮膚や衣類等から、残留有害物質が移る危険性も報告されているのです。
喫煙者と非喫煙者双方が、受動喫煙に対する認識不足!
はっきり言って、「双方とも受動喫煙に対する危機感が少ない。」と感じます。
では、受動喫煙がどれほど怖いのかを次で述べてみましょう。
受動喫煙の状況的危険性!
望まない直接的受動喫煙!
自分がたばこを吸わなくても、周囲に喫煙者がいると、火をつけたたばこの先端から立ち上る煙(副流煙)を吸ってしまうことになります。これを「直接的受動喫煙」といいます。吸わない人も、自分の意志とは関係なく喫煙している状態なのです。これは、言うなれば、受動喫煙公害です。
教習所では、さすがにタバコを吸いながら教習する人は居ないでしょうね。でも、喫煙所で、喫煙者と会話すると、直接的受動喫煙に晒されている可能性がありますね。
望まない関節的受動喫煙!
喫煙者がタバコを吸った後、教習車に乗り込むと、体内や衣類等に蓄積された有害物質が非喫煙者の体内に入り込みます。「おかしいなぁ、タバコ臭いなぁ」と思ったら危険信号です。中には、喫煙者であることを隠すために消臭している人も居るので要注意です。臭いはある程度消せても、有害物質は消せないのですから。
三次受動喫煙(Third- Hand Smoke)とは?
さらに、受動喫煙には、「三次喫煙」こと「サード・ハンド・スモーク(Third- Hand Smoke)」もあります。喫煙によって発生したたばこの有害物質は、家具や壁紙、カーテン、子どもの玩具、自動車の内装、エアコンシステムの表面に付着した後、徐々に空気中に再遊離します。
現時点でたばこの煙がない環境でも、たばこの有害物質が僅かでも残っていると、たばこを吸わない人は、受動喫煙と同様に、たばこの有害物質にさらされていることになります。これがサードハンド・スモークです。
教習所で言えば、「この教習車、タバコ臭いな」と感じたら、三次受動喫煙の可能性も疑ってはいけません。
その他の受動喫煙被害の一般事例
残留受動喫煙は知らぬ間に悪影響を!(放射能汚染と似ている?)
有害物質は、体内・衣服に蓄積・付着したものから、他人に放出されるばあいもあります。
その他人に蓄積されたものが連鎖的に第三者に感染する可能性もあります。
知らないうちに、有害物質のキャリアーになっている危険性もあります。目に見えない!臭いもしない!と言う面では、放射能汚染人近い物を個人的には思います。
残留有害物質は、入浴・洗濯では簡単に除去できない。
残留有害物質は、喫煙者の身体・衣類等に付着した有害物質の事を指します。これは、入念に入浴して体を洗っても、丁寧に洗濯しても除去できないと言われています。
特に、身体の中に入り込んでいる有害物質は、皮膚や肉、内臓にまで浸透しているのです。
受動喫煙の悪影響は長期にわたる!
喫煙者が禁煙しても、しばらくは、喫煙者の体内に残留した有害物質が少しずつ体の外に放出されるそうです。最低でも三年間は、殆ど喫煙状態と変わらないという報告もあります。
全員禁煙を推進している事業所では、全員禁煙後5年経過してから、「当事業所では『完全禁煙』しました」と宣言しているようです。
教習中の受動喫煙被害の例!
因みに、私の長女は、「タバコアレルギー」と自分で言っていました。たまたま私が、出張等で不在の時、喫煙者に担当された時、「頭が痛い」「吐き気がする」「気分が悪い」と言っていました。
そのような体調で運転すると、普段以上に技能が上達せず、「教官からめっちゃ叱られ、ますます教官の呼気が荒くなり、余計に気分が悪くなった。」と言っていました。
それ以来、長女は、私が乗れない日は、キャンセルするようになりました。
その後、長女も結婚し、子どもも出産しましたが、いわゆる「障害のある」子どもが生まれました。長女は、「あの時の受動喫煙のせいで、子どもに障害者が生まれた」と言っています。又、長女自身も「私もたくさんの病気を抱えているけど、『受動喫煙』のせいだと思っている」とも言っています。
長女は、タバコアレルギーの自覚があったので、極力喫煙者を避けて生きてきましたので、そのように信じ込んでいるようです。
受動喫煙の病理学的危険性!
受動喫煙の方が高濃度の有害物質が含まれる?
主流煙と副流煙
たばこの煙には、喫煙者が直接吸い込む煙=「主流煙」と、火のついた先端部分から立ち上る煙を非喫煙者が吸い込む=「副流煙」があります。
フィルターを通らない「副流煙」には、喫煙者本人が吸う「主流煙」より高濃度の有害物質が含まれています。
喫煙者自身よりも、受動喫煙者の方が、悪影響が大きい事が言えます。
又、喫煙所で喫煙していると、主流煙と副流煙を同時に吸い込むことになります。
これでは、喫煙所の在り方が問われることになりかねないですよね。
しかも、副流煙は、皮膚の表面や衣類や持ち物等に付着し、喫煙所に居ない「非喫煙者」に有害物質を無意識のうちにまき散らすことになります。
喫煙(受動喫煙を含む)によってもたらされる病気例!
喫煙をしたり受動喫煙にさらされていると、肺がん、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、乳がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息などの病気を発症する危険性が高まります。
また、加熱式たばこも健康に害をおよぼす物質(有害物質等)が含まれており、紙巻きたばこより安全とは言いきれません。
電子タバコは、有害物質があるとの報告はありませんが、禁煙パイポも含め、喫煙場所で使用することになりますから、受動喫煙により、有害物質の影響を受ける事には違いないでしょう。
喫煙(受動喫煙を含む)の影響が強いとされる病気例!
受動喫煙による病気であるとは言われていませんが、影響が強いと言われている病気例です。
がん(影響が強いと言われている病気)
首より上
鼻腔・副鼻腔がん、口腔・咽頭がん、喉頭がん、
首より下
食道がん、肺がん、肝臓がん、胃がん、すい臓がん、膀胱がん、子宮頸がん、
がん以外の病気(影響が強いと言われている病気)
首より上
脳卒中、ニコチン依存症、歯周病
首より下
慢性閉そく性肺疾患、呼吸機能低下、結核(死亡)、虚血性心疾患、腹部大動脈瘤、末梢性の動脈硬化症、2型糖尿病の発症、
妊娠・出産に関連(影響が強いと言われている病気)
早産、低出生体重・胎児発育遅延
受動喫煙が女性に及ぼす悪影響!
女性自身の受動喫煙被害~メディカル面
女性自身の体内で起こる病気!
女性自身の体に関して言えば、子宮頸がんがもっとも有名です。続いて乳がんの危険性も高まります。勿論その他の癌から色々な臓器に転移することも考えられます。
女性自身の受動喫煙被害~妊娠!
受動喫煙が及ぼす生殖能力への影響
喫煙者の「受胎待ち時間」は長い
生殖可能年齢の男女が妊娠を希望し、避妊せずに通常の性交を継続的に行い、妊娠するまでの「受胎待ち時間」が長くなることが報告されています。
具体的には、一般的に「不妊」と言いますが、「受胎待ち時間」は女性本人またはパートナーの男性の喫煙によって長くなります。
ここでは、能動喫煙に限った話ではなく、受動喫煙も影響していると言われています。
喫煙者の「閉経」が早まる!
喫煙者の女性は、閉経が早まるという報告もあります。という事は、妊娠を希望した段階で、すでに閉経しており、妊娠は不可能という事も有り得るわけです。
受動喫煙が及ぼす、妊婦・胎児への悪影響!
たばこ煙二含まれる有害物質は、妊娠に悪影響を及ぼすことが知られています。
ニコチン、一酸化炭素、酸化物質(活性酸素など)、は特に影響が強いと言われています。
ニコチン……血管収縮作用により血流を減少させます。
一酸化炭素……
活性酸素誘導物質……炎症による組織障害、脂質過酸化、
これらの有害物質により、胎児・胎盤の低酸素状態や、胎盤の老化促進・
妊婦本人の喫煙が早産や低出生体重・
一方、
また、
受動喫煙が、妊娠・出産に与える悪影響!
妊娠中は、早産の危険性が高まります。
又、胎児の発育にも悪影響があり、低出生体重・胎児発育遅延も見られています。
受動喫煙の有害物質が、子孫に与える悪影響!
受動喫煙で体内に蓄積した有害物質は、子孫にまで残留すると言われています。
男性の精子から、受動喫煙による有害物質が検出されたという報告例はありませんが、女性の場合、卵子だけではなく、出産までは母親の体から栄養素を直接取り入れているので、残留受動喫煙による有害物質が生まれてきた子供に残っていたという報告例もあります。
受動喫煙も「喫煙」です!
何度も言っていますが、受動喫煙も「喫煙」です。
未成年者喫煙防止法には、二十歳未満の人の喫煙が禁止されています。受動喫煙が喫煙ならば、二十歳未満に受動喫煙をさせる事は、法律違反ではないか?と思えるのです。それが、公共的な場、特に教育的な場で行われている事は、問題でなないでしょうか?
受動喫煙に対する精神的不安!
病気に罹患する精神的不安!
特定感染症、その他の感染症、受動喫煙等の病気に罹患するかもしれないという不安は、メンタル的にきついです。
昔から、病気 について、「病は気から」と言われています。
セクハラに対する精神的不安
女性自身が、受動喫煙被害を証明できた時から、新たな闘いが始まるという方もおられます。自分の体の心配や子供への影響もありますが、パートナーが喫煙していない場合、「喫煙者と過去に付き合っていたのか?」とか「どこで、受動喫煙を受けたのか?」など度、あらぬ詮索をされたという事例もあります。
暴言に対する精神的不安
「そんな男と付き合うな」「そんな職場はやめてしまえ」「そんな受動喫煙対策をしていない教習所に行った君が悪い」等です。
女性の喫煙・受動喫煙の状況
わが国では、女性の喫煙率は男性に比べて低くなっています。令和元年(2019年)調査では、男性27.1%、女性7.6%となっていました[1]。年齢階級別にみると、50歳代が最多で12.9%となっており、次いで40歳代の10.3%、60歳代の8.6%と続きます。
一方、家庭で受動喫煙の機会が「ほぼ毎日」あった人は、男性7.4%、女性11.6%と女性に多く、受動喫煙による妊娠出産への悪影響の回避が課題となっています。
改正健康増進法(2020年4月完全施行)では、望まない受動喫煙を生じさせないよう配慮する義務(配慮義務)を喫煙者に課しており、妊娠中の女性の受動喫煙が減少する効果が期待されています。
このことは、タバコのパッケージにも記載されていますよね。
女性の喫煙による妊娠出産への影響
喫煙は、妊娠・出産の過程においても、さまざまな健康影響を及ぼします。
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